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2020/07/19

GitHub へ push した際に Docker Hub で docker image を自動 build する

過去に「GitHub Actions で複数の Dockerfile の build と DockerHub への push を自動化した」という記事を書きました。
前回は image の build を GitHub で行なっていましたが、今回は Docker Hub で build するように変更したお話です。


Docker Hub で docker image を build する

GitHub と連携した automated build という機能を利用しました(設定方法はドキュメント参照)。
前回同様、GitHub に push すると自動的に Docker Hub に image が更新されます。


これまた前回同様、以降は作業ログ等です。


何故構成を変更したのか

image を更新する為に Docker Hub を触っていた時、 GitHub 連携の存在に気付いた為です。
ちなみに、更新していた image は latex-make というもので、MacTeX をインストールせずに LaTeX を実行できる image です。
更新内容は TeX Live 2019 から TeX Live 2020 へのアップデートでした。


GitHub Actions 作成時に気にしていた3つの条件のゆくえ

過去の記事では以下の3つの条件を気にしていました。
  • Dockerfile が増えた場合も自動で対応する
  • Dockerfile や関連ファイルに更新が無い Image は Push しない
  • GitHub Actions だけでなく、ローカルの環境でも build できる
第1条件と第2条件は、 Repository を分割して解決としました(latex-make, webpage-title)。
第3条件はビルドスクリプトをローカルマシンに残す事で解決としました。


構成を変更して良かった点

  • 他の image の README を参考にした結果、 README が整備された
    • latex-make には使用例が無かったので追記した
    • shields.io を利用して image のサイズ等のバッジを追加
    • GitHub/Docker Hub の README を(手動で)統一
  • Docker Hub に automated build のログが残るようになった
    • 前回は「push したユーザは atton, push 時刻」程度の情報しか無かった
  • ログイン情報を書くが必要無い
    • 連携時に Docker Hub から GitHub へ権限を要求しているので docker login を実行する必要は無い
    • 具体的に言うと GitHub Actions ではログインパスワードを Secrets に書いていた
      • なので、Docker Hub のログインパスワードを変更後、Secrets を更新しないと docker login に失敗する


構成を変更して良くなかった点

  • 移行作業が手作業だった
    • 対象となる docker image が2つのみだったので、手作業で移行を行なった
    • 仮に docker image が多かった場合、移行スクリプト等を書く必要があったかもしれない
  • 第2条件が若干緩くなった
    • master が更新された際に build が行なわれるので、 README だけの変更 commit でも build が発生する
    • git の tag をトリガーにして build する、等の設定で修正可能
    • しかし現状の image の tag は latest しか無いので放置中

2020/06/09

GitHub Actions で複数の Dockerfile の build と DockerHub への push を自動化した

私は作成した Dockerfile を GitHub で公開しています(前回の記事の atton/webpage-title も含む)。
Docker Image を手動で管理するのは面倒なので、何らかの形で自動化する事にしました。
最終的に、 Dockerfile が更新された際に build して DockerHub に push する GitHub Actions を作成しました。


GitHub Actions を作成する際に考慮した条件

  • Dockerfile が増えた場合も自動で対応する(現時点では2つ)
  • Dockerfile や関連ファイルに更新が無い Image は Push しない
  • GitHub Actions だけでなく、ローカルの環境でも build できる


具体的な GitHub Actions の内容

作成した .github/workflows/build-and-push.yml とbuild.sh は以下です(commit: 427f143)。

自動化できたので手動 push の必要は無くなりました。べんり。

これ以降は作業ログなどを書いておきますが、かなり長いです。


第一条件: Dockerfile が増えた場合も自動で対応する

この条件については、特定の構成をしているディレクトリを build 対象にする事で対応しました。具体的には
  • ディレクトリ名は任意
    • ls と [ -d ] で確認
  • ディレクトリの直下に Dockerfile が存在する
    • ls と [ -f ] で確認
といったディレクトリです。なお、ディレクトリ名は Docker Image の tag を決める際に使っています。


第二条件: Dockerfile や関連ファイルに更新が無い Image は Push しない

Docker Image を自動 build する際、最初は elgohr/Publish-Docker-Github-Action@master を使っていました

ここで問題が発生。README.md を変更しただけの commit でも Docker Image の更新が行なわれました。
幸い、GitHub Actions の step では if が使えるようなので試してみましたが改善せず。
なので elgohr/Publish-Docker-Github-Action@master は利用しない方針に変更。
使わない事になりましたが、 entrypoint.sh に書かれた(docker login/logout など)内容は参考にできそうです。

さて、次は「Dockerfile や関連ファイルに更新が無い」事を判定をできれば解決しそうです。ググってみると
で確認できるとの事。ではこれを grep して exit code で判定すれば解決、しませんでした。
更新の有無に関わらず、全ての grep の exit code が 1 になっていました。
加えて、ローカル環境では想定通りの exit code が得られるので、どうやら原因は実行環境固有のようです。

「ローカルでは動くが、別環境では動かない」という悲しい事態なので、 printf debug で少しずつ状態を確認していきます。
  • git は存在するか
  • git の version は何か
  • git は実行できるか
  • remote origin は存在するか
  • commit log は辿る事ができるか
  • grep の version は何か
  • ...
結果、「actions/checkout@master を使うと repository の情報が消える(?)」事が判明しました。具体的には
  • git コマンドは実行できる
  • git show を行なうと、全ファイルが新規作成扱いになっている
  • origin を fetch しても commit が取得できない
という謎の状態でした。その為、 actions/checkout@master は利用せずに直接 git clone を実行。
clone した repository では diff-tree が実行可能で、更新の有無が判定可能になりました。


余談: 第二条件の部分を書いている時に思った事

  • elgohr/Publish-Docker-Github-Action@master のソースを確認すると、 action.yml に if はありませんでした。
    • Pull Request を作成して提案する手がある
  • 「ローカルでは動くが、別環境では動かない」
    • GitHub で動作 Image を提供している可能性がある
  • 「actions/checkout@master を使うと repository の情報が消える(?)」
    • 今は git clone で対応できるが、 branch の指定といったオプションに対応できない


第三条件: GitHub Actions だけでなく、ローカルの環境でも build できる

この条件は「ローカル環境でも Docker Image を作成可能」にする為につけました。メリットとしては
  • 問題発生時の再現に使用できる
  • commit 前の Dockerfile も試しに build できる
  • 新しい Image 作成時の build が楽
等があります。なお、この条件は build.sh に与える引数の有無で解決しました。


まとめ

結構な文量になりました。debug の説明を含めると長くなりますね。
結果的に「uses を排除して自前の run で記述する」というオレオレ GtiHub Actions で解決。
前回も書いた気がしますが、「個人的には十分満足しているので良しとします。」


参考文献や関連した文献など